受験戦争

大学受験を何年も前にした。
二回した。
一回目の時、人生最大の関門だと錯覚させられていたわたしは、学校や予備校などでさまざまな人に言われた。
「人生80年、その中のたった一年、たった一年だけ死ぬ気で頑張ればいいだけ。そしたら後は楽なもんだよ。」
二回目の時、親元を離れある程度の自由も得たわたしは、頭の中で言われたことを反芻していた。
「人生80年、その中のたった一年、たった一年だけ死ぬ気で頑張ればいいだけ。そしたら後は楽なもんだよ。」
何回も唱えたが、本気で実行できなかった。
いろんなものがぼやけ過ぎていて、信じることが出来なかった。
それは単なる後付けの理由にすぎないかもしれないが、前がよく見えなかったのは確かである。
ただやりたくなかったとか、めんどくさかったとか言った方がいいのかな。
そのせいもあってかなりたくさんの遠回りをしてきた、ときどき病んだりしながら。
今でははっきりと"せい"ではなく、"おかげ"と言えるが。


なんか前置きが長くなってしまったが、これは人生近道ばかりが正解じゃないと回り道を推奨する生ぬるい感じのものではない。
わたしは決めた。
これから三ヶ月、一回マジで死ぬ気でいこうかなと。
自分へのプレッシャーのためにあえてここに記しておこうと思う。
「人生80年、その中のたった一年、いやたった三ヶ月だけ死ぬ気で頑張ればいいだけ。そしたら後は楽なもんだよ。」
別にその後、"楽"が待っているわけではないが、自分にちょっとした受験戦争を課してみる。
合格できるかできないか。
まずは、自分がどれだけ納得して、どれだけ自分に面白がれるか。
自分が設定した受験だとどれだけやる気が出ることか。
もちろん、何年か前みたいに誰にバトンを渡せばいいのか分からないという状況なんかじゃない。
立ちこめていた霧は完全に晴れている。
そろそろダイレクトに行かせてくれ、死ぬ気でやってみるからさ。