ど〜ゆ〜こっちゃ

stagy2004-08-29


 それはちょうど一週間前の話。僕は東京駅へと急いだ。でもちょっと早く着きすぎたようだ。新幹線の改札前で一人壁に体を預けながら、さっきまで電車の中で読んでいた小説を取り出した。話が盛り上がる場面からだったのでスムーズに頭の中に活字が取り込まれた。しばらく読んでいると視界の隅の方で誰か座っているのに気が付いた。

 なんだもう着いてたのか。早く言ってくれよ。そこには、中学の時からまったく変わらない顔がいた。まあ化粧はしてるけど。僕があまりにも集中して読んでいたので、気付いてもらうまでそっとしておこうと思ったらしい。何を考えているのか意味が分からない。何年かの間会うことはなかったが、最近では地元に帰った時とか一緒に遊んだりする。ほんとは僕は東京駅まで来る予定ではなかったのだが、誰かの方向オンチのせいでここまで来ている。JRから地下鉄に乗り換えるために二人で丸ノ内の出口に向かった。そして、地下への階段を下りる。

 最初会ってから地下へと行くまでの間、何の話をしてただろう。多分どうでもいい影の薄い話だったと思う。というかあの話に比べればたいていは影も消してしまうだろう。

 僕が中学を卒業してからこんな話が耳に入ってきた。あの先生、生徒に手出してたんだよ。えっ、マジですか。びっくりってもんじゃない。驚愕。僕の担任でもあった人だ。しかも僕にはいろいろと偉そうにしたりしてくれましたよね。しかもしかも何人に手出してるんですか。手を出された生徒の中には、当時僕が仲良くしていた女の子もいた。えっ、その前には付き合ってた生徒もいるんですか、ああ〜そうですか。意味が分からなかった。年が二まわり程度も離れているのに。こんなのドラマだけとかの話だと思ってましたよ。

 地下を二人で歩いていると突然、「もう時効かな。」と言い出した。いきなり何を言い出したのかと思ったが、何かのカミングアウトだろうと何のことか聞いてみた。すると反対になんのことだと思うと聞かれた。僕たちは中学校だけしか同じではなかったので、中学校に関係することだとはすぐに分かった。どうやら僕の知っている友達が実はある人と付き合っていたらしいのだ。まあよくある話だ。誰だろう。そんなこと急に言われてもなぁ、なかなか出てこないぞ。そして、クイズ形式でどんどん先に進んで行くと、どうやら相手は生徒ではないらしい。はい?ああ〜そうですか。もうやりたい放題ですか。なんでもありですよね、この世の中。かなり意外な組み合わせ。高校教師に勝る中学教師ですか。こんなのドラマだけとかの話だと思ってましたよ。

 8月21日、ある地下鉄の車内にやたらハイテンションなやつらが二人いたんだ。